04-分かりにくい商品コピーの例。

商品コピーの書き方

参考のために商品コピーが分かりにくいありがちな事例をご紹介します。

1.売り手側の一方的な情報発信

特にものづくりをしている会社などで多いのが、作り手、売り手の思いや言いたいことが多すぎて、その言いたいことをずらずらずらっと書くケースです。商品特長がいっぱいあって、伝えたいのは分かりますが、結局なんかよく分からないということにもなりかねません。

お客さんを想定し、何からどのように説明すると分かりやすいかを考えることが必要です。一度にたくさんの話をされると、逆に記憶に残りません。お客さんにあわせてポイントを絞って話を始める方が良いです。そして、どっちでも良いような特徴は思い切って載せないことも分かりやすくする方法です。そのためにもメインのお客さんが誰なのかを明確に想定する必要があります。 

2.分かりにくい用語や言い回し、業界用語

分かりやすさの説明でも触れましたが、難解な言葉や熟語、業界用語、専門用語は、それがお客さんに通じるのかどうかを考えることが必要です。基本的には、できるだけ一般的な言葉にかみ砕いて説明するのが良いです。お客さんに分からなければ、結局伝わらないので意味がありません。ただしもちろん、BtoBなど業界向け、専門家向けに売る場合はその限りではありません。

その辺の事実を上手くつなげてストーリー性のある説明をするとお客さんも理解納得しやすいと言うことです。そのためには、できるだけ具体的に書くと言うことが大切で、お客さんが課題解決された自分の未来をより具体的にイメージできれば買ってくれる可能性が大きいわけです。

3.コピペの寄せ集め。

ありがちなのは、別の場所で使われているコピーがコピぺで寄せ集めされている場合です。別の状況で説明されている文章をそのままもってくるとニュアンスも含めて合わない場合もあります。あるいは文脈の違う文章が接合されて意味が良く分からなくなっている場合もあります。

それでも読む側がネットに慣れていると読めてしまいますが、売る側の手抜き感は感じますよね。それが時には「このショップは大丈夫かな?」という不信感にもつながりかねません。

4.主語がない。

別の単元で美文でなくて良いと言う説明をしていますが、「てにをは」や句読点、主語は注意が必要です。

「てにをは」は、話を振り分けるスイッチや分岐のような機能です。これを間違うと話が違う方向に行ったり迷子になったりします。

また、話が続いているとき、もとの主語を省いて書く場合が、一般の文章ではありますが、広告の文章では、できるだけ主語を省かずに書くほうが良いです。一般の文章、特に会話調の文章では、文章のリズムを重視して省略し、読者の読解力に頼る部分がありますが、広告の文章では、できるだけ読者に依存しないように書く必要があります。読者に依存して伝わらなかったら意味がないからです。代名詞も極力使わない方がよいです。そのあたりが、SNSとは違うので注意が必要です。

句読点、特に句点は、打ち場所を間違えると違う意味にもとれたりしますので注意が必要です。

昔からよく例えで出されるのが「本日は雨が降りそうな天気ではない」という文章です。

「本日は雨が降りそうな天気ではない」と書けば「晴れだな」と思いますが「本日は雨が降りそうな。天気ではない」とすると「晴れではない」話になってしまいます。「降りそうな」なんて言い方は昔の言い方ではありますが(笑)、句点に加えて「天気」という言葉の表す意味が2通りあるからです。日本語には、こういう言葉が多いので注意が必要です。自分だけの概念で書いていると違う意味に取られたりします。

日本語の構造は結構ゆるいので、無意識に書いているとどちらにでも解釈できるような文章になっていたりします。一節一節をできるだけ単一の意味しか表さないように書くようにしましょう。

これらのことは書いているときには気づきにくかったりしますが、時間をおいて読み返してみると気づいたりします。あるいは、モニターで見ていると気付かないのに、プリントアウトして読むと気付くという場合もあります。

5.前置きが長い

商品コピーの形態にもよりますが、前置きが長いと読むのが面倒になり離脱される可能性が高くなります。キャッチコピーとの流れで、まずリズム良く納得する話をする方がよいです。

アフィリエイトの商品紹介でも、知られた話の前置きが長いと読むのが面倒になるとともに、余り大した話ではなさそうだと期待感も落ちてきます。前置きでも、あまり知られていない事実とか、お客さんが興味を持って読める話なら効果があります。

6.造語に注意

「新発売」という言葉は当たり前によく使われますが、本来なかった言葉です。広告の世界の造語によって生まれたそうです。しかし、今では当たり前に通じます。そうやって、造語であっても分かりやすい言葉は社会に認知されてきます。「新・○○主義」とか「新・○○生活」みたいな表現も、新しい概念を示したいときによく使われます。但し、通じないのは意味がないので注意が必要です。


どんな場合にもお客さんの立場で考えて見ることが大切です。

*目次に戻る

タイトルとURLをコピーしました