商品コピーがうまく書けないという場合に、この3つが大きな原因として考えられます。
1.美文を書こうとする。
これ、意外と多いんじゃないかと思いますが、お客さんに読んでもらう文章だということで、ちょっと構えてしまって、美しい文章というか、かっこいい文章を書こうとする人が多いかもしれませんが、その必要はないんです。目的は商品を売ることです。
商品の魅力がお客さんに伝わって商品が売れたら、それで良いわけです。そのためには必ずしも美文である必要はないので、変なハードルを取り除きましょうということです。
もちろん格好いい文章や格調高い文章で商品が売れればそれに越したことはありませんし、文章のテイストが、ブランドイメージにつながるという場合もあるでしょう。しかし、その場合も、商品の魅力がちゃんとお客さんに伝わって売れるということが前提なので、かなりハードルが高いと言えるでしょう。
重要なのは、商品を買うメリットをお客さんが感じてくれるかどうかです。お客さんが「なるほど、それは良さそうだ」と思って買っていただくためには「買うメリット」がお客さんに生まれないといけません。そのためには、商品の魅力をどう伝えればよいか、そこに工夫が必要なわけです。
お客さんは文章に惚れて買うわけではありません。商品を気に入って買うわけです。商品を気に入ってもらうために、どのように話を進めたら良いか、そこが重要なわけです。
繰り返しますが、とにかく「美しい文章でなくても良い」ので、意味のないハードルを下げましょうということです。
2.商品情報が整理できていない。
これも実は意外に多いのではないかと思います。自社製品だから良く分かっていると思ってるために、いざ書こうと思うと何から書き出して良いか分からない。あるいは、書きたいことが多すぎてまとまらない。結果的に良く分からない説明になってしまうケースです。
商品情報を整理するには箇条書きにするのが最も簡単です。その上で優先順位をつけていきます。ただし、この時、必要になってくるのが次の項目の「販売戦略」です。
これも実は意外と多いのではないかと思います。
整理できているつもりでもいい加減だったり、できていると思っているだけだったりします。自社製品だからよく分かっていると思い込んでいるだけだったりするんです。細かいところを訊くと「えーと、どうだったかな?」とかなったりしてね・・・
料理をつくるのに材料や調味料がちゃんと揃ってないとおいしい料理はできません。それと同じです。
材料(商品情報)がちゃんと揃っていないのに書こうとすると、なんとか話を広げようとして小手先の表現ばかりいじってしまうというパターンに陥りがちです。そうすると形容詞が増えてきます。美しいとかおいしいとか、きれいなとかね・・
形容詞が増えるとイメージがどんどん漠然としてしまって、逆に商品のことが伝わりにくくなってしまいます。
ひどいときは何を言いたいのか、よう分からない内容になってしまいます。広告コピーには、できるだけ形容詞を使わないようにしなければなりません。
より具体的な話のほうが、お客さんがイメージしやすいからです。形容詞が多くなるのは、具体的な情報、つまり詳しい商品情報がないからです。
つまり「商品情報が整理できていない」というのは「商品をよく把握できていない」というワケです。把握できてないのに上手くは書けませんよね。
つまり商品情報の整理というのは、頭の中を整理するという面でもとても大事なことなんです。というとなんか難しいように聞こえるかもしれませんが、そんなことはありません。
商品情報の整理は、箇条書きにするのが一番分かりやすいです。1行1特徴で書きます。できるだけ紙に書くのをおすすめします。頭の中だけで考えていても、ちゃんと整理できてない場合が多いです。
パソコン上でやるとしても、実際に文章でまとめるほうが良いです。キイワードだけ書いていても話の筋がないので、整理したことにはなりません。そしてパソコンでやっても、1度紙にプリントアウトして眺めてみてください。いろいろな問題に気付くと思います。
こういう地道な作業を丁寧にやることで書きやすくなります。
箇条書きにすると特徴がわかりやすくなりますので、訴求ポイントを絞りやすくなります。これは、次の項目とも関係する大事なことです。
3.販売戦略がない。
戦略というと大袈裟ですが「誰にどう売るのか」って事です。
「誰」は「ターゲット」あるいは「ペルソナ」と言ったりもします。「誰にどう売るのか」が決まっていないと、誰に向かって話したら良いのか分かりませんし、どんな話をすれば良いのかが決まりませんから書けなくて当たり前です。
商品によっては、複数のマーケットに売れるものがあります。全方位的に売るのか、特定のマーケット向けに売るのかでは、ポイントの絞り方が全く違ってきます。そもそもお客さん自体が違ってくることもあります。そして売り方、例えば、ギフトとして売るのか、日常使いとして売るのかとか、同じ商品でも季節によって売り方が違ってくるものもあります。
同じ商品でも、ただ特徴が書いてあるだけのと、「これこれこういう理由で母の日のプレゼントにも良いですよ」と書いてあるのでは、お客さんへの響き方が違います。
母の日のプレゼントを忘れていた人には、「あ、そうだ、忘れてた、ちょうど良いわ!」って買ってもらえるかも知れません。
だから、「誰にどう売るのか」は、とても大事なことで、そこが決まっていないと、書けなくて当然なのです。
と言うわけで、今回は「商品コピーが書けない理由」ということで、まず「なぜ書けないのか」の原因を点検していただく内容でした。
結論的にまとめますとポイントは3つ
1. 美文を書こうとしないこと
→文章の格好良さに囚われないこと。
2. まず商品情報を整理すること
→商品内容をちゃんと把握するということです
3. 販売戦略を決めること
→誰にどう売りたいのかをちゃんと考えましょう。
でした。
1は、書くスタンスというか気持ちの問題ですね。
2と3は当たり前っちゃ、当たり前のことなんですけどね。
その当たり前がちゃんとできてなかったりするわけです、人間は。
思い当たる方は、点検してみてください。