マーケティングで科学できないもの。

マーケティング
ILLUSION inc

過去にMBA型マーケティング思考の落とし穴というようなブログを書いていますが、同質化の問題はまさにここにあると思います。
マーケティングとは、商売を科学的に体系化し方法論として、言ってみれば方程式化したものです。つまりxやyに同じ数値、つまり同業種同業態を代入すれば同じ答えになるということです。

しかし、実際の商売は、その奥もあります。お客様や社会を思う気持ちです。人間は、何かの気持ち(感情)で動くものです。気持ちが生まれないと商売を始めないわけで、それがたとえ「儲けたい」という直接的なものだとしても、お客様や社会のことを考えていないとやがて行き詰まるわけで、商売の受け皿をどこにするのかは避けて通れない道です。
しかし、そういった「気持ち」の部分は数値化できないものです。

たとえ、気持ちの部分も方法論としての体型を作ったとしても、構成する要素の程度はやはり数値化が不可能です。しかし、実際は其の要素のバランスによって結果ができています。
例えて言えば、お菓子を作るときに、小麦粉、卵、牛乳、砂糖の配合率のようなもので、ベストとされるものはあるとしても、本当にそれがベストかどうかはわからないし、人によっても美味しさは違ってくるでしょう。多くの洋菓子店でそれぞれに味があるのは、それらの配合率や料理の仕方などが異なるからです。

つまり、業種業態が同じでも違う結果になる要素があり、そこは数値化できないものだということです。だからこそ、多様な文化やマーケットがあり、多種多様な企業が活動するわけです。
企業にとって、その大事な部分というのが、企業の「想い」だと考えるわけです。企業の想いのディティールや程度は、数値化することができません。しかし、その「想い」が原点になって商品やサービスが生まれており、さらにPRや営業活動、接客が成立しているはずなのです。

いわゆるブランディングというのは、それらを整えて強固にしようということです。

日本の企業はとかく、スペック、つまり数値を重視しがちです。
アップルの製品が発表されたときに、決まって聞かれたのは「うちのほうがスペックは高い」ということでしたが、スペック重視になってマインドが置き去りになっています。
アップルは、「残された人が扱いやすいコンピュータ」とか「クレイジーな人たちへ」とか、性能ではなく、マインドがまず最初に来ます。

人々はスペックがほしいのではなく、楽しい面白い幸せな毎日なのです。日本が世界に遅れているのは、その根本的な考え方が違うというのも大きいのではないでしょうか。

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