前例主義の矛盾。

マーケット

日本の企業、特に古い企業は前例主義が好きです。「革新を起こす」と言いながら前例主義です。事例によって安心するのでしょうが。マーケティングにおいて、前例が功を奏するのは、商品開発と商圏の狭いマーケティングの時だけです。

商品開発は、かつてのパナソニック(松下電器)が「まねした電器」と揶揄されたように、最先端の製品を模倣し堅実で安価な製品を大量に生産することで市場を作ることができました。現在でもある程度はその効果は狙えるでしょうが、多様化の現代では、昭和の時代のような模倣の大量生産はリスクになってしまいます。大量生産には、綿密なマーケティングと市場を席巻する規模が必要です。

商圏の狭いマーケティングは、例えば個店などです。商圏が競合しないお店の成功例は自店でも有効である可能性があります。

上記以外のマーケティングでは、「事例」はすでに世に出ているマーケティングであり、新鮮味もインパクトもありません。圧倒的な量で凌駕するという方法も考えられますが、「圧倒的な量」は大きなリスクとなり、失敗すると費用の損失だけでなく、やり方の印象で企業イメージまで落としかねません。

しかし、未だに、特に昭和の経営者は前例が好きです。前例ばかり踏襲していては、まず目立ちません。社内の勢いも出てきません。スピードが早い現代では、半年前の前例でも、もう古くなっているかも知れません。安心と思っている前例は、実は役に立たない手法かも知れないのです。
新しいことをやる時は不安もありますが、期待も大きいものです。ワクワクします。それが会社全体に広がると活気づいてきます。
新しいこと、個性的なことを面白がる経営者は、どんどん新しいことに挑戦します。そういう人が、これからの時代の経営者ではないでしょうか。

そういう面で、経営者というのは、好奇心旺盛であるというのが必須要件であるような気がします。

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