メルカリの経済圏について。

メルカリは、ヤフオク一強と思われていたところに登場して瞬く間に巨大商圏をつくりあげました。メルカリはヤフオクと違ってオークションではありません。価格を決めて売るフリーマーケットです。メルカリが躍進した理由のひとつには、売り出しや配送の簡単さがあると思います。
ヤフオクで面倒だったのは、売りに出す作業や売った後の処理でした。落札者とのやり取りや配送の手続き。それらをメルカリは標準化して簡単にしました。プライバシーにも配慮して匿名で配送できるようにしました。
利用してみると分かりますが、ヤフオクに比べて驚くほど簡単です。近年、ヤフオクもメルカリ的に簡単になって来ましたが、オークションならではの仕方がない手間はどうしてもあります(近年ヤフオクもフリマ部門をつくりました)。

もうひとつ、メリカリにとっての特殊な状況があります。メルカリの利用者の売上は、メルペイという通貨で貯めておくことができ、それを使ってメルカリで買うことができます。もちろん、現金化もできるのですが、ほとんどの人は現金化しません。貯めたメルペイを使って、またメルカリで買うのです。要するに利用者が売ったお金はメルカリの中でぐるぐる回っているわけです。「金は天下のまわりもの」そのものです。

つまり、メルカリで売った人の売上金は、どんどんメルカリに貯まっているわけです。それはもちろんメルカリのお金ではなく、預かっているお金ですが、利用者が現金化しない限りどんどん貯まっていきます。現金化されないのですから、メルカリはそれを運用することができます。考えて見たらすごいことです。そしてもちろん、売上金の何パーセントかはシステム利用料としてメリカリの収益になっています。

売上のメルペイを使ってメルカリで買うと言うことは、人は変われど、メルカリの中では、お金が人を移動しているだけでメルカリからは外に出ません。そして、メルカリには利用料として収益を生みます。言い換えれば、メルペイを移動させるだけで収益を生むわけです。

また、商品も回っています。例えば、ある本を誰かが売りにだし、それを誰かが買います。その人は、読んだらまたメルカリで売り、また誰かが買います。一冊の本が何度も売られていきます。そういうことが本だけでなく、いろいろなアイテムでも起こります。

モノとお金がメルカリの中で、ぐるぐる回りながらメルカリに利益を生み出していきます。
なんとも面白い仕組みができています。近年ヤフオクも売上金をPayPayとして貯めて使えるようになりました。

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