業務の生産性と過剰品質。

日本のオフィスの生産性が低いと言われています。オフィスでの様々な業務にムダが多いという分けです。
目的のよく分からない会議や書類、制度など、慣習的に行われていることがおざなりになっているケースが多いのではないでしょうか。
それらの中には「念のため」に行われている事も多いのではないでしょうか?
日本人は完璧主義者です。1回で済むことでも「念のために」もう1回やる、もう1コ作っておく、控えを取っておく等等、ミスが起こらないように起こってもカバーできるように保険をかけるわけです。しかし、その保険のほとんどが結果的にはムダになっているという事は多いと思います。その結果、大掃除の時には、そういう保険で作られた書類等を大量に捨てるということも起こります。捨てる手間までかかってしまいます。
そういう保険をかける根本にあるのはどこまでも100%を目指す完璧主義です。1ミリのミスも許さないというマインド。それ自体は良いことではありますが、反面、前述のようなムダも生じます。

目指している100%のことは、果たしてそこまでの精度が必要なのかという点検が必要だと思います。仮になにか不具合があったとして、すぐにリカバーできるような事は、リカバーすることを前提に行えば良いのです。大概のことは3%は不具合が起こると言われています。逆に言えば97%は上手くいくわけです。たった3%のために保険をかけるのは非合理的です。

これは日本の製造業でも同じ事が言えて、保険をかけるための作業がコスト高を生み国際競争力をなくしています。
海外は「不良品があれば交換すれば良い」という考え方が基本ですが、日本は、「不良品は全体出さない」です。それは信用のためでもあるのですが、それがために競争力をなくします。そして、その事実は日本が必要と思っている信用のニーズがそこまでないと言うことです。
もちろん、これは分野にも寄ります。
数年前に某家電メーカーのTVの海外向けの仕事をしたときもそうでした。メーカーは、「ウチは他社より圧倒的に品質が良いのだ」と胸を張りますが、海外市場では見る影もありませんでした。
圧倒的な品質が同価格なら胸を張れますが、価格も圧倒的に高かったのです。海外の該当市場では、そこまでの品質のニーズはなかったということです。数年後、そのメーカーはTV事業から撤退を余儀なくされましたした。

先の不具合にしても、完璧で高価な商品よりも、安価で何かあれば気軽に交換してくれる商品の方が好まれる市場というのは、実は膨大なのではないでしょうか。

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