1.キャッチコピーはタイトルではない
キャッチコピーは本文のタイトル(表題)ではありません。文字通りキャッチ(注目・興味喚起)させるためのものです。そのキャッチコピーの場所で何を言えば興味をもってもらえるかを考えなくてはなりません。
つまり、そのキャッチコピーの「場所」にもよるわけです。通販カートの商品ページの場合もあれば、ブログのような形態で1つの商品を紹介する場合もあります。本文の在り方も違ってくるので、キャッチの作り方(お客さんへのアプローチの仕方)も違ってきます。
商品コピーとなると、あまりイメージよりのキャッチコピーにはなりにくいはずですが、それでも話しかけ方はいろいろあります。注意点としては。商品特長から離れたキャッチにした場合は、本文で早めに着地させることが重要です。前置きが長くなると読むのが面倒になります。こういった本文も見通してつくることが大切です。
2.形容詞を使わない
本文の項目でも書いていますが、キャッチコピーは本文にも増して形容詞を使わないことが大切です。例外を除いて形容詞は何も伝えません。「美しい」という言葉からは商品の内容は何も分かりません。「美しい」は人それぞれに感じることだからです。「美しい」を感じるのは商品を買ったお客さんに委ねられています。
3.WEBでの見え方に留意する
WEBでは、見るデバイスによって勝手に改行されてしまいます。文章によれば変なところで改行されると言葉の勢いが変わってしまう場合もあります。
4.キャッチコピーの手法
キャッチコピーにはいくつかの手法があります。これがすべてではありませんし、特にルールはないので新しい手法で考えても良いわけです。
キャッチコピーの手法-1:質問する
○○○をご存じですか?」という素直なものから、「まだ○○○をやっているんですか?」という脅迫タイプまで質問形式は興味をこっちにむけるキャッチコピーとしてよく使われるパターンです。人間は、質問されると無意識にその質問について考えてしまうんです。つまり興味を持つと言うことです。ただし、脅迫タイプなどは、書き方によっては「大きなお世話だよ」と反感を持たれるので、注意が必要です。上手に聞くと、自然にこうちらに耳を傾けてくれます。これは営業トークとしても使えます。そもそもキャッチコピーは営業トークです。
キャッチコピーの手法-2:限定する
「今だけ○○円のご奉仕です」「タイムセール、15時まで!!」「残りあと100個です。お見逃しなく!」「1回限りの限定生産です。お見逃しなく!」など、何かを限定して呼びかけるのも常套句です。限定してチャンスの価値を上げると言うことです。裏返して言えば、この機会を逃すと損しますよという言い方です。人間は、トクすることより、損したくないという気持ちの方が強いのです。だから、これもある種の脅迫のようなものです。それと、限定することで話を分かりやすくする効果もあるのです。分かりやすさも興味も持つ大きな要因になります。
キャッチコピーの手法-3:話を切り替える
「さて、~~~~~~」「ところで。~~~~~~~」のように、これから違う話をしますよという言い方も注意喚起でよく使われます。タレント&映画解説者の浜村淳さん(関西の方にはおなじみなのですが)が「さてみなさん」という常套句がトレードマークになっていましたが、注意をこっちにむけるのに効果的な話し方です。このように切り出されると人間は、え?何の話が始まるの?と無意識に思ってしまって耳を傾けてしまいます。しかも、今、あえてそうやって切り出すのだから価値のある話に違いないという風にも思うのです。
逆に言えば、人間は、重要な話をするときにそういう切り出し方をするのです。「ところでね・・・」とか。この切り出し方にさらに質問や限定などを組合わせるとさらに強力になる場合があります。「ところで、明日朝9時から、○○○が500個だけ販売されるのをご存じですか?」
キャッチコピーの手法-4:意外な事実を提示する
その昔、サンヨーコートのCMで「春は3日に一度雨が降ります」というキャッチコピーがありました。それを聞くと「へえ~、そうなんだ」と思います。しかも、「そういえば、そんな感じがする」という共感も生まれます。大きな事ではないけど、ちょっといい話を聞いたなあと記憶に残ります。このキャッチコピーが良いのは、さらにビジュアルイメージが伴うことです。だからレインコートのひとつも持っておくといいですよという売り込みをさらっと提案しているところがTVCMというメディアも手伝って素敵なCMになっていました。こういう意外な事実が商品特長に直結しているとさらに購買につながりやすくなります。逆に言えば、商品の中の意外な事実を探すことが強力なキャッチコピーづくりの第一歩であるとも言えます。
キャッチコピーの手法-5:「もう」で焦らせる
「もう○万人が使っています」「もうすぐ○○の季節です」など「もう」と言われると自分が何かに置いて行かれたのか?という不安が生まれその内容を確認したくなるのです。ある意味これも脅迫なので、使い方には注意が必要ですが興味を持たせるには効果があります。これの類似で「まだ」があります。
「まだ、○○をお使いになっていませんか?」裏返せば「もうみんな使ってますよ。あなた遅れていますよ」という言ってみれば少し嫌な言い方です。しかし、それがとても良い情報なら教えてあげることは親切になるのです。この相手にとって本当に良い情報なのかどうかと言うところが反感を持たせるかどうかの分かれ道です。事実と乖離している場合は逆効果です。
キャッチコピーの手法-6:あるあるで共感を呼ぶ
お笑いのネタと同じですが「あるある」は、共感を得やすい手法です。「朝起きると○○○が○○○になっていませんか?」これが、「世間であまり言われないけど、実はみんな感じている」ということであればあるほど興味を引きつけます。「そうそう!そうだよね~!!」って。だれでも言っていること、世間ではもう周知されていることでは、インパクトは弱いです。「え?みんなもそうなの?」というギャップが興味を引きつけます。これは、言葉のテクニックもそうですが、の「事実」を解決する内容、つまり商品の効用が必要です。
キャッチコピーの手法-7:痛いところをつく
これは、「あるある」のカテゴリーでもあるのですが普段から気にしていることを指摘する手法です。「良くないと分かっていながら○○○していませんか?」言われた方は、「そうなんだよね~。わかちゃいるけどやめられない」と思います。そこで、これなら解決できるでしょう?と商品を説明します。人間は「わかちゃいるけどやめられない」ことはたくさんあります。やめないとどんなに大変なことになるか(この商品を使わないと)を教えてあげるのも説得力になります。
キャッチコピーの手法-8:ドキッとさせる
思いがけない事実を知らせてあげることで人間は興味を持ちます。
「毎日○○○している人の約半数が○○○になります」え?そうなの?本当?毎日やってるよ?!と思ったら、読みたくなりますよね。これももちろん、そういう事実がなければ使えませんが商品にこう言う言い方ができる事実がないかを探すことも必要です。世の中には、ある人たちには当たり前なことでも一般的になっていない情報は山ほどあります。健康分野でいろいろな食材がブームになりますよね。知っている人は昔から知っているけれども世間ではあまり知られていないというだけなのです。そういう事実を根拠などもあわせて説明してあげるととても説得力のある告知になり、購買へ近づきます。
キャッチフレーズの手法-9:エンターテイメントする
商品コピーの周辺では余り使われる機会はないでしょうが、キャッチコピーで楽しませて読ませる手法で、分かりやすいのはダジャレです。しかし、昔と違って、テレビの影響やコミュニケーションが発達し、お笑いのレベルがあがっていますので、安易なダジャレはかえって品位を落としてしまいます。また、ダジャレだけがエンターテイメントでもありません。
面白いではなく、楽しいのもエンターテイメントです。本当に面白く楽しいキャッチコピーのエンターテイメントは「うまいこと言うなぁ」というヤツです。これは成功すれば企業イメージも良くなるという一石二鳥です。それだけにハードルは高いです。センスが必要です。またキャッチコピーは面白いけど、その先は読んでもらえないという場合もあります。単なるエンターテイメントで終わってしまっている場合です。
優れたキャッチコピーには、商品の訴求ポイントがエンターテイメント化されています。そういうキャッチが広告に使われると、子供から大人まで何かの折に触れ普段の会話でも使ってしまったりします。要するにキャッチコピーで遊んでくれているわけでみんなの心に染みこんでいきます。それは、大変効果があるということです。その言葉を使うときに商品イメージが頭にありますから、常にマインドシェアを取っていると言うことになります。
一般的にそういう商品は大手企業の大衆消費財などで効果が大きいものですが、地域の企業などではあり得るのではないでしょうか。地元で有名なキャッチコピーってあると思います。ただ、フレーズは良く覚えているけど、商品は覚えていないという場合もよくあります。それは失敗例ですね。エンターテイメントは、うまくいけば効果は大きいけどなかなか難しいものです。もちろん、商品の特性や市場によってもマッチしない場合もあります。
キャッチフレーズの手法-10:やたらと長い
キャッチコピーは短く簡潔にというのが基本中の基本なのですが、その逆を突く手法です。これは近年よく見かけます。商品名すらこういう手法でつけられているものもあります。たいていが短いフレーズばかりなので、やたらと長いもので目立つということです。まず目立つため、印象に残るためにやたらと長くするのです。商品名でも最近はそういうものがあります。これの利点は、目立つと同時に内容を説明してしまえることです。商品名の場合もほとんど中身を説明してしまっています。「群馬の○○さんが毎日早起きして丹精込めてつくった○○」みたいなやつです。キャッチフレースも、とにかく「何を長々と書いてるの?」と思わせるくらいに長くないと目立ちません。
2-2-2キャッチフレーズの手法-11:素朴に話す
いろいろな手法を紹介してきましたがそれらはあくまで興味を引くための手法であって、まずは話を聞いてもらうためのものです。訴求の肝心な部分は、商品の特長やお客さんのメリット(ベネフィット)などですのでそういったことを素朴にキャッチコピーに表すことは言ってみれば基本です。
商品が他にはないユニークなもので、お客さんにとって本当に大きな価値があれば、へたなテクニックを使わずともその肝の部分を素直にキャッチコピーに表現するだけで十分引きつけるはずなのです。しかし、そういった商品は今日はまれでほとんどの商品が、競合にあり類似する商品はマーケットにあふれています。その中で、少しの差異はなかなか分かってもらえません。その中でこちらを振り向いてもらうためにいろいろなテクニックを駆使するということですね。
どんな場合にもお客さんの立場で考えて見ることが大切です。